【2026年版】派遣社員の有給休暇ガイド|取れない時の交渉術と退職時の消化ルールまで

「派遣社員だけど、有給って本当にもらえるの?」
「派遣先に休みづらい雰囲気があるけれど、どう伝えればいい?」
2026年現在、人手不足の深刻化や賃金水準の改定により、有給休暇は単なる「休み」ではなく、労働者に与えられた「価値ある資産」としての側面が強まっています。
本記事では、厚生労働省の最新指針に基づいた「正確な基本情報」と、現場で損をしないための「具体的交渉術」をプロの視点で解説します。
■この記事のまとめ
- 派遣社員でも「6ヶ月勤務・出勤率8割」などの条件を満たせば有給は付与される
- 2019年の法改正で年5日の取得が義務化されており、派遣先に拒否権はない
- 契約期間に空白ができても、1ヶ月以内なら有給の権利は消滅せず引き継げる
■目次
・まずは確認!派遣社員の有給休暇「いつから・何日」もらえる?
・有給を取ると給料が減る?「3つの計算方法」と2026年の変化
・拒否されたらどうする?「派遣先には断る権利がない」法的根拠
・【そのまま使える】波風立てずに休むための「申請メール」テンプレート
・契約終了・派遣先変更で「有給リセット」させないための防衛策
・まとめ:有給は「給料」の一部。2026年は賢く権利を行使しよう
まずは確認!派遣社員の有給休暇「いつから・何日」もらえる?

派遣社員であっても、労働基準法に基づき有給休暇を取得する権利は正社員と全く同じように認められています。
有給休暇が発生する「2つの条件」
以下の2点を満たせば、自動的に有給休暇が発生します。
1.継続勤務期間: お仕事を始めてから6ヶ月が経過していること。
2.出勤率: 全労働日の8割以上出勤していること。
実はここが重要です:
出勤率の計算において、「産休・育休・介護休業」や「業務上の負傷による休業」の期間は、出勤したものとみなされます。
これらで長期欠勤していたとしても、要件を満たせば有給は付与されるので、諦めずに確認しましょう。
参考:厚生労働省
もらえる日数(付与日数)一覧
契約形態(週の労働日数)によって、付与される日数は異なります。

【意外と知られていない落とし穴】
有給休暇の有効期限は「付与された日から2年間」です。使わずに放置すると古いものから順に消滅してしまいます。2026年の賃金改定により、1日あたりの有給の価値(時給単価)は上昇傾向にあるため、時効で消滅させるのは金銭的にも大きな損失といえます。
有給を取ると給料が減る?「3つの計算方法」と2026年の変化

「有給を取った日の給料が、普段の時給より安い気がする」という声をよく耳にします。これは、派遣会社が採用している「計算方式」が原因かもしれません。
給与計算の3つのパターン
派遣会社は、就業規則により以下のいずれかの方法で支払額を決定します。
1.通常賃金: 「普段の時給×契約時間」で計算。最も一般的で、欠勤扱いにせず通常通り支払う形です。
2.平均賃金: 直近3ヶ月の総額を暦日数で割った額。通常、時給換算より2〜3割程度低くなります。
3.標準報酬日額: 社会保険の等級に基づいた金額(労使協定が必要)。
【プロのアドバイス】
2026年は「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」の改定により、多くの派遣労働者の時給が底上げされています。有給1日あたりの価値が以前より高まっているからこそ、自身の会社の計算方式が「通常賃金」なのか、それとも「平均賃金」なのかを契約書(就業条件明示書)で必ず確認しておきましょう。

拒否されたらどうする?「派遣先には断る権利がない」法的根拠

「派遣先の社員が休んでいないから」「繁忙期だから」という理由で有給取得をためらっていませんか? ここで法律上の整理をしましょう。
雇用主は「派遣会社」である
有給休暇を与える義務と責任があるのは、派遣先ではなく「派遣会社(派遣元)」です。
●派遣先の権限: 派遣先には、派遣労働者の有給取得を拒否する法的権限(時季変更権)はありません。
●派遣会社の義務: 派遣会社は、労働者が希望した日に休めるよう配慮しなければなりません。
【ここが交渉のポイント】
2019年から「年5日の有給取得」が企業に義務化されています。あなたが休まないことは、派遣会社にとって「法違反(罰金)」のリスクになります。つまり、「法律を守るために、私は休む必要があるのです」というロジックは、派遣会社に対して非常に強力なカードとなります。
参考:厚生労働省「年次有給休暇の時季指定義務」

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【そのまま使える】波風立てずに休むための「申請メール」テンプレート

法律論を振りかざす必要はありません。角を立てずにスムーズに承認を得るためのテンプレートを用意しました。
パターンA:通常の申請(派遣先・派遣元両方へ)
件名:有給休暇取得のお願い(氏名)
お疲れ様です、派遣スタッフの〇〇です。
来月、以下の日程で有給休暇を頂戴したくご連絡いたしました。
【取得希望日】2026年〇月〇日(〇)
派遣先の〇〇様(担当者)には事前に共有済みで、業務の調整も完了しております。
お手数ですが、お手続きのほどよろしくお願いいたします。
パターンB:多忙な時期に、派遣会社に相談する場合
件名:有給休暇の取得相談について
お疲れ様です。〇〇(派遣会社名)の〇〇です。
現在の派遣先にて、有給取得の調整を行いたいと考えております。
派遣法改正による「年5日の取得義務化」も踏まえ、計画的に取得したいと考えておりますが、
現場が繁忙期のため、派遣会社様からもバックアップや取得の推奨をいただけますと幸いです。

契約終了・派遣先変更で「有給リセット」させないための防衛策

派遣社員が最も注意すべきは、「仕事の切れ目」での有給消滅です。
「1ヶ月」の空白期間に注意
派遣先(就業場所)が変わっても、同じ派遣会社(派遣元)との契約が継続していれば、有給は引き継がれます。
しかし、前の案件が終わってから次の案件が始まるまでに1ヶ月以上の空白(クーリング期間)ができると、継続勤務が途切れたとみなされ、有給がリセットされてしまう恐れがあります。
【一歩踏み込んだアドバイス】
次の長期案件が決まるまでに時間がかかりそうな場合は、同じ派遣会社で「1日単位の単発案件」を挟むことを検討してください。1日でも契約が発生していれば「雇用継続」とみなされ、コツコツ貯めた有給を守れる可能性が高まります。

まとめ:有給は「給料」の一部。2026年は賢く権利を行使しよう

有給休暇を使わずに消滅させることは、時給1,500円の人なら「1日1万円以上の給料」をドブに捨てているのと同じです。
1.付与条件(6ヶ月・8割出勤)を正しく把握する。
2.派遣先には拒否権がないことを知っておく。
3.契約の空白を1ヶ月以内に抑えて権利を守る。
この3点を意識するだけで、派遣社員としての働きやすさと実利は大きく変わります。


